凉 side

10/11
前へ
/111ページ
次へ
母は大きな溜め息をついている。 母が言っている事はもっともで、私も母と同じ考えだ。 やっぱり付き合うのは好きな人とじゃないと… そんな事を考えていた時、母と視線がぶつかってしまった。 …なんかイヤな予感がする。 「……涼は、彼氏…」 「いないよ」 母の質問に私は即答した。 母は黙々と食べ続ける私を見つめながら、再び深い溜め息をついた。 まだ22才なのに歴代の彼氏の数が両手じゃ足りない娘と、もう22才なのに浮いた話が全く無い娘。 両極端な娘達のせいで両極端な悩みを抱えている母は大変そうだ。 「…ごちそうさまでした」 私は自分の食器を運び、ささっと洗って逃げるように自分の部屋へ戻った。
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加