涼 Side

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「処女の涼ちゃんがそんな風に思ってたなんてねー。 いや、ビックリしたわホント」 いつもの仕返しなのか、温はからかう様な言い方で私に言った。 ………処女…? ……! “あっち”って、あっちか…! ようやく意味に気が付いたその瞬間、顔から体から全身から火が吹き出そうになった。 どうしよう。 『あっちの相性は大事だもんね』なんて言っちゃったよ…? ここ数年の間で、恥ずかしいランキングのNo.1に堂々と輝く程の恥ずかしさだ。 温はニヤニヤしている。 おそらく全て見透かされている。 私は恥ずかしさのあまりその場にいられなくなり、バタバタと冷蔵庫からアイスティーを取り出してグラスに注ぎそそくさと逃げる様に自分の部屋へ戻った。
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