涼 Side

12/12
前へ
/111ページ
次へ
その後、せっかく会ったんだからお茶でも… なんて展開にはなるはずもなく、例の雑誌も買えずに「じゃあ、また月曜日学校で」と言ってあっさり別れた。 お茶に誘おうと思えば誘えたかもしれないが、教師という立場と職場の先輩いう間柄がなんとも邪魔でもどかしい。 同じ会社ながら温に告った彼…いや元カレにノウハウをレクチャーしてもらいたいくらいだ。 嫌われてはないと思うけど、それ以上の感情を求めるには一体どうしたら良いのだろう。 ………男と女って、難しい。 私は、唯一買えた参考書を右手に持ちながらトボトボと家に向かって歩いた。
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加