凉 side

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なんだか一瞬微妙な雰囲気に包まれたが、何も知らない温はキョトンとしている。 「電話は終わったの?」 母の遠慮無い質問に私の方がドキンとしてしまう。 「…え? あっ、涼ちゃん!?」 温はまたほっぺたを膨らませ私をジロっと見た。 「電話中みたいだよって言っただけだ…もん…」 あらぬ方向の天井に視線をやり言い訳するが、若干罪悪感を感じているせいか語尾が弱々しくなってしまう。 温が、もぉ~とぶつくさ文句を言っていると 「はいはい! その話はあとあと! 特製スペシャルカレーですよ~」 と母はテーブルに三人分のカレーを並べた。 さっきは手抜きカレーって言ってたような。 いつどの段階で特製スペシャルなカレーに変わったんだ?
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