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さっきから田村がその事について話しかけてくるが、はっきり言って認めたくない。
「井ノ上~、ヤバいってコレ~。どうしよう~」
頼むから俺に聞かないでくれ。
「なんで川澄センセ来ないの~?」
実はさっき教卓を探っている時に見付けたのだが、川澄の手帳にはX'masの予定がビシッと書いてあった。どうやらそちらを優先したようだ、田村には言わないが。
「私もう帰りたい~」
俺もだよ田村、今すぐ帰って寝たいよ。
そもそも田村と二人っきりってのが最悪だ。あ、いや別に田村が嫌って訳じゃない、むしろ大好きだ。
宝石の様にキラキラした彼女の瞳が好きだ。
マシュマロみたいな彼女の耳が好きだ。
ちょんと出た、彼女の鼻が好きだ。
薄桃色の彼女の唇が好きだ。
赤く色付く彼女の頬が好きだ。
漆黒の髪が好きだ。
『小学生か』と言いたくなる様なこじんまりした背格好が好きだ。
『可愛い』以外の形容詞が合わない様な日々の所作が好きだ。
ガキの頃から知っている、彼女の全てが大好きだ。
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