六時間目の向こう

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<2050年7月10日> 銀色に輝く太陽の光が、人類文明の名残であるコンクリートの山の中に降り注ぐ かつては東京と呼ばれ、世界でも有数の大都市であったこの場所には、かつてのような賑やかさは無く、今では異様なまでの静けさにつつまれている。 その昔、この地に暮らしていた人々がこの静けさを手に入れられたなら、会心の笑みを浮かべただろう。 しかし、その住人達はもはや存在せず、そして、その静けさは、望まざる形で突然訪れた。 それから数十年と云う月日を経た今では、この地に何が起こったのか知るものは居ない。 ただ一人を除いて。
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