今 2011年―

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―翌日― 直也と隆平のクラスは、今日、朝から体育で気分が乗っていない様子だ。 隆平はいつも普段からパーカーのフードをかぶっているから、寒いのだろうか、体が小刻みにふるえている。 校庭に向かい渡り廊下を二人が歩いていると、 「あんたのせいよっ!!」 おばさんのようなかんだかい怒鳴り声が聞こえてきた。 彼らは、それに気になって近づいてみる。 すると、 体育の先生で5年2組担任の柴田先生が30代後半ほどの女性にペコペコ頭を下げていた。 「あんたっ!うちの子が、学校にゲームを持ってきたら無くなったって言ってたのよ!! いったいどうしてくれんのよ!」 「すみません、すみません」 だいの大人が子供の前で、こっぴどく怒られている。 直也は、誰もが感じているだろうことを思った。 「なぁ隆平、 普通に考えてゲームを学校に持ってきた あのおばさんの子が、悪いだろ」 これはもちろん当たり前のことだ。 ゲームは、学校に持ってきてはいけない。 コレ 常識。
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