【依頼①】

3/15
前へ
/28ページ
次へ
ここで、いつも彼らがやっていること、 「俺は部長の、鬼島直也(きじまなおや)6年3組」 そう、自己紹介。 相手を知るにはまずは自分から。 「俺は、仕事の受け付けとかやってる。川村隆平(かわむらりゅうへい)6年3組だ」 「さぁ。君の事を教えてくれ」 相手は、緊張しているのだろうか。 ほんのり汗をかいていて、あきらかに困り顔。 足もモジモジしているように見える。容姿は、野球をやっているとも思わせる、指ではつまめなさそうなほど短い丸刈り。依頼人は、どうやら下級生。 やはり他学年との、対面は心配があるのだろうか。 …… ついに、 口をひらいたが、緊張しているようで声が小さく聞き取りにくいほど。 「はい。5年2組、丸山広介(まるやまこうすけ)。 知り合いの6年生のシゲ君から、ここならって、教えてもらいました。」 自分も自己紹介をして、 いかにもお前も自己紹介しろ、という雰囲気を直也は出していて、実際そうさせたが、 彼らにとって、自己紹介なんて正直どうでもいい。 彼らが1番聞きたい事は、
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加