今 2011年―

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「おい、直也。一応そのベンチの後ろも確認しとけよ」 直也は隆平に言われ、 渋々ベンチの後ろも見てみる。 「おっ!」 「あったぞ、鍵。これだろー」直也は、隆平に確認してもらい、 ようやく鍵を見つけたようだが暗くなり始め、 学校に長居すると先生に怒られてしまうので、二人は、今日は一旦帰ることにした。 翌日。 日差しが暖かい昼休みの屋上。 隆平は、いつも持ち歩いているノートパソコンと向き合い、 直也はただたんに、 大きくてまったくの規則性のない自由な空を仰向けになってぼーっと眺めていた。 屋上には一つの机があり、彼らはそれに仕事の依頼書や、貰った報酬を収納している。 「隆平、前から思ってたんだけどさ、 この“支持カード”、 貯めに貯めて今2000枚くらいあるけど、 いったい何に使えんだよ」 直也がずっと疑問に思っていたことだ。 “支持カード”っていうのは普通、 授業中とかに発言したりして貰えるもので、その使用法は給食のおかわり優先とかが主だ。
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