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「会長……冷たくされても好き」 「君は黙っていなさい」 「はい……あっ…っ」 こいつの感じやすい場所はわかっていた さっさと済ませてしまおう 「会長……好き…好き…ああっ…」 好きって何だ? 俺はただ作業的に動いているだけ 「そこ…ああっ…いやっ……そこばかりは…」 うるさい 甘えた声もムカつくだけだ 「僕が上に」 ソファーに座ったまま上に乗せ、激しく攻めた それは早くこいつをどかせたいから 「んっ…会長…キスして…ああっ…」 そそられない唇を見つめ、舌を絡め付けた 「んんっ…あっ…っ」 さっさとイカせてしまおう ソファーに押し倒し、更に深く攻めようとした時 「和海、今日も夕食……あっ……ご、ごめんなさい」 「翔、待っ……」 最悪だ もう写真なんてどうでもいい 「どけ」 「えっ?」 「さっさとどかないと殺しますよ」 「……………会長」 「写真はお好きに……もう隠す必要はなくなりました」 「………………」 冷たく睨みつけながらソファーから立ち上がり部屋を出た 最悪 今はその二文字しか浮かばない 何を言っても無駄な予感がした 軽い目眩と頭痛 あんな事をしなくても他に方法があったかも知れないのに 翔にばらされたくない一心で俺は…… 悔やんでも遅い 何を言っても言い訳に過ぎない 自分の愚かさに吐き気がする 「翔……」 ただフラフラと学園を出て、裏庭をさ迷う 翔を捜してどうするつもりだ 古いベンチに座りまた、ボンヤリ空を見つめた 空が見たい訳じゃない だけど今は上を向いていなければ、涙がこぼれ落ちそうだったから……
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