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「………和海」
俺のせいだ
俺が和海を追い込んでしまったんだ
毎日ニュースは同じ事件を報道していた
「楓」
「………………」
「もう少しの辛抱ですよ……なかなか見つかりませんが」
「やめて……もうやめてよ」
「だって楓は腕を返してと言いました」
「戻って来ても無駄なんだ……和海」
「なかなか綺麗な腕がみつからない」
和海……
俺が和海を壊してしまったんだ
「大切なもの……楓だけ……楓がいない生活はいらない……楓……」
「和海……」
俺の責任
「和海、ごめんね……俺の大切な人は和海だよ」
「………楓」
「和海、抱きしめて……もう腕はいらないから……」
「楓っ！」
ごめんね和海
腕はいらないけど命もいらないんだ
だけど愛しているから和海も連れて行くよ
そっと和海の内ポケットに入っていたナイフを取り出し握りしめた
「愛してるよ和海……」
「楓……愛して…ぐっ……っ」
深く突き刺さったナイフを引き抜くと同時に血が流れ出す
「ごめんね……でも一人にはしないから」
「楓……ごめんな…さい……見つけ…られなくて……ごめ……」
「和海っ……」
大切なものは和海だけ
だから壊れた和海を殺した
これが正しいのかはわからない
わからないから地獄で考えよう
二人で手を繋いで……
躊躇う事は何もない
早く追いかけなきゃ
待っていてね
今すぐ行くから
大切なものは何
大切なものは和海だよ
ー完結ー
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