先客

5/5
前へ
/64ページ
次へ
「そうね。マスターにお任せするわ」  すかさず朱美が応答していた。 「解りました。では、ゆっくりと楽しんでいただけるようなカクテルを、ご用意しましょう」  そう言って、マスターは、まず細かく砕いた氷を入れたタンブラーを、カウンターに二つ並べた。  次に棚からボトルを取り出し、計量カップで計ってシェーカーに注ぎ始める。  マスターは同様の動作を淀みなく繰り返し三種類の液体をシェーカーに入れてシェイクした。  その動作は間断無く流麗な手さばきで進められた。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

57人が本棚に入れています
本棚に追加