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シャワーを浴びた後にトランクスだけを身につけて寝室へ入ると、朱美はドレッサーの前で薄化粧を施していた。
キャミソールだけの白い裸身に、思わず眼を奪われる。
下着を着けず、大きな腰を露わにして座る後ろ姿は、西洋梨を想わせた。
このラインがオスの本能を掻き立てるのだ。
「あなたが初めてなのよ、この寝室に入る男は」
朱美は鏡越しに僕を視ていた。
「うん」
「昔、あなたに誘われた時に、素直にホテルへ連いて行っていたら、あたし達の人生は変わっていたのかしら?」
朱美は振り向きながら腰を上げた。
答えようのない問い掛けに「うん」とだけ返事をして、僕は彼女を抱き寄せた。
「ああ……」
朱美も躰を預けるように寄り添い、背中に手を回した。
長い抱擁の後、
「そんなことは誰にも解らない」
僕はそう告げてから朱美を横抱きに抱いてベッドへ運んだ。
「あの時は……」
朱美が何か言いかけたが、僕は彼女の唇を奪って黙らせた。
舌を絡ませると彼女もそれに応えて来る。
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