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だからこそこいつは常に前を向いて走り続けるのだろう。
その姿が好きなのだが。
「いつまでもうだうだするくらいなら無くす方法を考えないのか」
「と言われてもなーだいたい一日も経ちゃあ薄れるし、俺自身困らないんだけどな……でもそうも言ってられないか」
好きだからこそ今みたいな表情をしてほしくないと望むのはわがままか。
ヴェルテはまた目を細めて考えて答える。
「前はずっと一人だったけど、今はお前やロッサ達がすぐ気にするからな」
「当たり前だろう……大事な仲間なんだからな」
その最後の一言に首を傾げれば、ふっと微笑んだヴェルテはそっと額に口付けを落としながら続ける。
やはり見抜かれているような物言いに、触れられた箇所を手で覆いおれは小声で答えた。
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