Holy night

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数日越しの仕事に片をつければ、すでにイブも終わりにさしかかっていた。 帰ってもいいが、どうせうるさいしな…… バーの人混みを抜けながら、ちらりと手首の時計を見たおれはこれからのことを考える。 一足先に屋敷へ帰したC達がパーティーをするんだと言っていたので、間違いなく宴会騒ぎになっているだろう。 疲れているのにわざわざ入っていく気はさらさらない。 あぁ、でも、あいつには会いたい、か。 しかしふと思い浮かんだ顔に立ち止まった時だった。 いきなり背中に何かがぶつかっておれはたたらを踏む。 「あ、すまねぇ。ってよう」 「あ、ああ……」 だがそのぶつかってきた相手が気付いたのか、腕を掴まれ引き戻してくれる。 その際にかけられた声に振り向けばソーレが笑って立っていた。
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