Holy night

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――アーズリー 「な、なんでいんだよ!」 ぐるりと裏手に回って見つけたやつの格好に唖然としていたら、振り向かれさらに向こうも固まっていた。 しかしはっとしたヴェルテがつかつかと近寄ってきながらそう聞いてくる。 それに手短に状況を話せば、やつも渋々と話してくれた。 なるほど。自分が仕組んだからあんな風に言ったんだな。 おれの目の前で小さく唸っているヴェルテを眺めながらさっきのやりとりを思い返す。 「しかしよく目立たずにここまでこれたな」 「そりゃあもう必死だぜ」 ただでさえ身長に体格にと目立つのに、こんな格好をしていたらさぞ目立っただろうに。 それを必死に隠す様子を想像しておれはふっと吹き出す。
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