Holy night

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「人事だと思いやがって」 「ふふ、悪い」 それにあからさまにむっとした顔をしたヴェルテに笑い続けていたが、いきなり頭を押さえつけられた。 手を伸ばせば先ほどまでやつが被っていたサンタ帽が乗せられている。 「似合ってるぜ」 見上げればしてやったりといわんばかりの表情で笑っているヴェルテ。 楽しそうな表情にみとれていたらこちらへ差し出された手に頬を撫でられた。 「なんだよ」 「別に。ただ、会いたいと思っていたから」 その手をとってこちらからさらにすり寄れば、ふとひそめた声で聞かれる。 でもそれが戸惑うのではないのに気付いているので、おれも囁くように告げる。 素直に言うのは恥ずかしいが、今日くらいなら浮かれている周りに紛れてわかりっこない。image=398372566.jpg
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