Holy night

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――ヴェルテ 街の雰囲気にでもあてられたかのように、やけに素直なアーズリーに誘われるままに近くのホテルへ入ったのだが。 「なんだ寝ちまったのか」 ようやく着替えてシャワーを浴びて戻ってくると、その前までそわそわしていたこいつはベッドに丸まって寝息をたてていた。 まあ、長めの仕事上がりだもんな。 起こさぬよう静かにベッドに腰をおろし、目元にかかる髪を払いつつ梳いてやる。 「まだ一日あるからいいか」 もったいないとは思うが、クリスマスは始まったばかり。 起きたらまず何をしようなんて考えながら俺も隣に寝転がる。 それからアーズリーの体を寄せて、目を閉じた俺はあっという間に眠りに落ちていた。 end
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