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しかし振り向かせたはものの、すっかりへそがまがってるようで、目も合わせないし手も振り払われてしまった。
まいったな。
仕方なくすっと距離をとったが、足元で何か落ちる音がしてそちらに目を向ける。
どこから現れたのか地面には箱が一つ。
拾いあげたら、今度は慌てた様子でアーズリーが詰め寄ってくるので、思わずこいつの手が届かないとこまで腕を持ち上げてしまった。
「返せっ!」
「お前が機嫌直してくれたらな」
怒っているのはわかるが、必死に爪先立ちで手を伸ばす姿がかわいくて、つい俺は意地の悪いことを言う。
だいたいこれってプレゼントだよな?
唸りながら見上げる視線ににやりとして、手元のそれを確かめる。
小さく薄い箱は綺麗な包装紙に包まれていて見るからにバレンタイン向きのものだ。
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