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自分もチョコを口に含みながらにっと笑いかけたら、もごもごと言い返してくる。
「悪かったとは思ってるんだぜ?」
「どうだか」
目元にかかる髪を梳きながら告げるも、ぷいと顔を逸らされ枕に埋めてしまった。
「アズ」
けど気にせずに頭を撫でながら、さらに顔を寄せて掬いあげた髪に唇をあてる。
「好きだよ」
「っ……おれもだ」
髪の毛越しに窺う瞳に囁く俺にちょっとためらうように視線を泳がせるも、アーズリーはそれでももう一度こちらを見てぽつりと答えてきた。
その様子がかわいくて、額にキスをする口許が緩むのを感じながら唇を重ねる。
「全部を許すわけじゃないからな」
「はいはい」
ほんの少しチョコの甘みが残る口付けのあと、決まり悪そうに呟くこいつにますますにやけてしまう。
それに目を細めるので一応返事をして俺も隣に寝転がり、すっと伸ばされた手をとってアーズリーの体を抱き寄せるのだった。
end
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