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「っ?……アズ?」
「あ、すまない。起こしてしまったか」
寝てると思ったからさらに髪を梳いたのに、ふっと身じろぎしたヴェルテが目を開けるのに驚く。
「あーいや、寝たような寝てないようなだから」
慌てるおれをよそにやつは笑う。
けどどこか力ない感じに反応に困ってしまった。
「けどびっくりだよな」
「……こんな時期に川になんか落ちれば当たり前だろう」
おれの沈黙をどうとったのか軽口を言うヴェルテに、おれはため息混じりで返す。
帰ってきたのは知っていたがその前に何があったかは全然知らない。
だが風邪の理由はそこにあるのだろうとさっき同行していたCを捕まえて聞いて呆れていた。
曰わく敵とやりあっているうちに誤って川に落ちたと。
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