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今度はちゃんと寝れたのか、目が覚めた頃には幾分楽になっていた。
「ヴェルテ?」
「おう?なんだ居たのか」
寝返りをうったら、持ち込んだらしいイスに腰掛けていたアーズリーが顔を上げるのでそう尋ねる。
寝入る直前に冷たくあしらったのは記憶にあるので、居なくなっていると思っていた。
「……迷惑、か?」
「いや。さっき言い過ぎちまったからさ」
俺の問いに首を傾げて逆に聞き返され俺は緩く頭を振って答える。
熱でもやもやしていたとはいえ、その苛立ちをこいつに向けるのは八つ当たりでしかなくて。
落ち着いて考えればすぐわかるのにな。
いまさら反省しても意味がないが、じっとこっちを見つめるアーズリーにごめんとだけ呟いた。
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