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俺の風邪は結局一晩寝たら治ったのだが、朝になったら今度はアーズリーの方が具合が悪そうにしていた。
「面倒みてやるとは言ったけどよ……」
ひとまずベッドに放り込み、昨日と立ち位置が変わった状況で俺は冗談半分で言ったセリフを繰り返す。
ちらりと見下ろせば、布団から顔をのぞかせたアーズリーはうろうろと視線を泳がせて。
「すまない……」
「ま、いいさ」
それからこちらを見て小さく謝るので軽く額を撫でる。
熱を確かめて離そうとした指をくいっと引っ張られた。
「どうした?」
「あ、いや……」
反射的に握り返し、尋ねたら逆に困った顔をされる。
「もう少しここに居てくれないか」
「ん、じゃ寝つくまでな」
けどぽつりと告げられた内容がやたらにかわいらしくて、もう片手で頭を撫でながらベッドの縁に腰掛けた。
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