風邪とりんご ver.2

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――アーズリー どれくらい寝ていたのかふっとおれが瞼を開ければ、繋いでいた手は空になっていた。 もの寂しさを覚えながら上を向くも、熱のせいか映った天井が歪んで見える。 ふらふらする。いや、くらくらか……? 気持ち悪くなって目を瞑ったのに、その闇さえも揺れているような錯覚に陥る。 わけもなく苦しくて、頭を振ったら余計気持ち悪くなった。 「最悪……」 口から零れたのは意味のない弱音。 体の内側で熱と妙な寒さがせめぎ合って、体が強張っていくのを感じる。 節々が軋んで痛いとか、喉が渇くとか浮かんでは消える思考を繰り返しているうちに、おれはまた眠りの淵に落ちこんでいっていた。
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