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――アーズリー
どれくらい寝ていたのかふっとおれが瞼を開ければ、繋いでいた手は空になっていた。
もの寂しさを覚えながら上を向くも、熱のせいか映った天井が歪んで見える。
ふらふらする。いや、くらくらか……?
気持ち悪くなって目を瞑ったのに、その闇さえも揺れているような錯覚に陥る。
わけもなく苦しくて、頭を振ったら余計気持ち悪くなった。
「最悪……」
口から零れたのは意味のない弱音。
体の内側で熱と妙な寒さがせめぎ合って、体が強張っていくのを感じる。
節々が軋んで痛いとか、喉が渇くとか浮かんでは消える思考を繰り返しているうちに、おれはまた眠りの淵に落ちこんでいっていた。
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