⚠待ちぼうけ

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勢いとはいえあいつに好きだと告げて早数週間。 俺もとは返してもらったが、それ以上の進展はないまま。 さらにタイミング悪く別々に仕事を請け負ってしまったのもあるのだろう。 ここ何日かは会えず終いだ。 まあ、暇な身ではないしな。 バーで一人呑みながらおれは内心で呟く。 「……」 でも会いたいとは思う。 だからこうやってバーに来るのだが、会ってどうしたいのかがわからない。 あやふやな自分の心境におれはため息をついて立ち上がる。 今日もなんだかんだと日付が変わるまで待ってみたが、来ない以上いる必要はないから。 酒代をテーブルに置いて、人混みを抜けて出口に向かう。 そしてドアに手をかけた瞬間だった。
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