fragrance

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あぁもう、最悪だ…… 深夜でなければ声に出したかもしれない悪態を、おれは胸の内でとどめた。 ミッションを終わらせ帰ってきたのが一時間ほど前。 程なく、各自室がある二階の廊下で手伝ってくれたC達を労って別れた。 そのまま寝てしまおうかとも考えたが、べたつく汗が気になりシャワーだけでもと思ったのがそれから十分後のことで。 着ていた服を適当にランドリーの籠に投げ入れて、頭からぬるめのお湯をかぶればその流れる水に疲れも落とされる気がした。 しかし静かな水音と暖まったことであやうく立ったまま寝かけ、おれは慌ててシャンプーの置かれた棚に手を伸ばす。
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