fragrance

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よく確認しなかったおれも悪いのだろうが、それにしても間違えた物が悪すぎる。 いらぬ疲れを感じてしばしぼうっとしていたが、その間も髪を伝う泡が甘い香りを漂わせるのに慌ててシャワーをかぶる。 それで泡は流れても匂いはそう簡単には落ちないようで、こっちが必死になればなるほど匂い立つ始末。 かと言って洗い直す気も起きず、おれはようやくその花とも果実ともつかない甘さが抜けたところでシャワーの栓を止めた。 しかし濡れ髪で寝るわけにはいかないとかドライヤーをかけたら熱で匂いがぶり返してしまったところで時間は冒頭に戻る。
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