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ふわふわと漂う自分のものでないそれは、まるで知らぬ誰かにまとわりつかれているみたいで落ち着かない。
この香りを自室に持ち込むのは嫌だが、逆に自分ので満たされた部屋の方が紛れてしまうかと考えながらドアに手を伸ばしたタイミングで隣の扉が開く。
「あれ、アズ帰ってきてたのか?」
「ああ、さっきな。でお前は何をしていたんだ?」
ひょっこりと現れたヴェルテがおれを見つけて、おかえりとにっと笑うのに頷いて答えた。
が、夜も更けた時間に寝間着ではなく、何故かうっすらと汗ばんでいる様子に首を傾げる。
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