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そして本人からすればいたく不愉快であろう香りだが、慣れてしまえば俺としてはそう悪いものには思えない。
ちょっと甘すぎる気もすっけど、これはこれで似合う……
「いい香りだな」
「お前……」
普段の涼やかなのも好きだが、新鮮さからなのかつい零したら不服さ全開で睨まれた。
「自分じゃないようで嫌だ……」
しかしそれはふと戸惑いが浮かんだ表情に変わって髪を掻き上げるので、俺もつられるように頭に手を伸ばす。
確かにここまできついとそうだろうなぁ。
ふてくされるのをなだめるように指で梳きながら、そのまままた抱きしめようとしたところで自分が汗をかいたあとなのを思い出し、はたと動きを止めた。
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