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――アーズリー
汗と整髪料と。
それから意外にも自分よりまめにつけている香水のラストノート。
混じり合ったそれらは不思議なほど心地良くて。
ころりと寝返りを打った拍子にふわりと香ったそれをもう少し感じたくて、染み付いたシーツを手繰り寄せた。
「起きたか?」
と、微かにスプリングの軋む音とともにそこへ新しい香りが舞い込む。
それは覚醒しきれない思考をゆっくりと揺り起こす。
優しく頬を擽る手を捕まえ、瞼を持ち上げヴェルテを見上げた。
「香水付けなおしたのか」
溶け込んだのは付け立てらしく爽やかなシトラスを思わせるトップノート。
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