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出掛けるとき無人になるからと冷房などは切ってあったが、しっかりとした石造りの屋敷内はひやりとして涼しかった。
ふとその温度に落ち着けば溜まった感情も少しだけ鎮まった気がする。
「で、どうするよ」
「シャワー浴びたい……」
尋ねる俺にぽつりと呟いて、着替えを取りに部屋へ向かうアーズリーの後ろを黙って着いていく。
すっと視線を上げれば汗で濡れた白い項が映った。
その瞬間鎮まったものが別の形で俺の思考を染める。
あれだけ我慢したんだから少しくらいぶちまけても構わねぇ、よな……
暑いというのにそれ以上の熱が欲しいだなんて自分でも馬鹿げていると思うが一度ついた火は消せそうにない。
だから俺は部屋へ一緒に入ると同時にアーズリーの腰に腕を回し抱き寄せた。
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