⚠待ちぼうけ

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しかし、すぐ戻ってくるかと思いきや、すでに20分近く待っているのにやつの姿は現れない。 さらに5分待っても変わらない状況に、おれは苛立ちを覚えカウンターに向かって歩き出す。 待っていろと言ったのはそっちのくせに。 それは会えたという時点で、妙に向上した気持ちを一気に塗りつぶしていく。 でもおれだって半分くらいは我が儘なことくらいは自覚してるから、マスターと仕事の話で立て込んでるなら我慢しようと思った。 けど人混みを抜けた先に見たのは、居合わせた手下やソーレに絡まれてるやつの姿。 それを見た瞬間、もう呼びつけるのも嫌になってその場から逃げるように身を翻した。 途中何度か人にぶつかったが、それを睨み返しながらおれは外にでる。 アホらしい。ホント馬鹿みたいだ…… 胸の内を駆け巡るは自分を嘲る言葉。 12時を回っても未だ賑やかな表通りを避けて、裏道をおれは一人帰り路につく。
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