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――アーズリー
この暑い中多少口数が減っても、うざったそうに汗を拭う仕草をしていてもどこか余裕そうなヴェルテの様子が少し腹立たしい。
それにひきかえみっともなく暑さにやられる自分ももっと腹立たしい原因で。
だからついおれはぷちぷちと愚痴を零し続けてしまった。
それでキレて怒鳴ってくれたりすればちょっとは溜飲が下がるのに、ヴェルテは黙ったままで余計止められなくなった。
でもこの時気付くべきだったのだ。
この面倒見のいいこいつが気遣うのでもなく、諭しもしない状況がおかしいことに。
しかしそれがこんなことになるなんて誰が予想できただろうか。
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