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――アーズリー
暑さで参っているところへさらに熱い波に押されたら考えるなんてことできなくて。
足りないだろう?と低く問う声に答えるように解かれた腕をやつの首に回す。
ただ、おれの暑さへの限界はそこまでだったらしく、抱き締められたとこでふっつりと記憶が切れてしまった。
次に意識に届いたのはぱしゃりと水の跳ねる音。
水?……冷たい……
ぼんやりとだが回復していくにつれ心地良い涼しさが体に触れている。
「お、目ぇ覚めたか?」
再び響く水音のあと続いた声に瞼を持ち上げたら目の前でひらひらと影が揺れていた。
それが手のひらであり、その向こうでヴェルテが頬杖をついてこちらをうかがっているのを認識する。
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