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と、途切れる直前の出来事を思い出す。
「ヴェルテ、きさま、っぅわ!?」
「ばっか、浴槽で急に立ちあがんな」
ずいぶんひどいことをしといて飄々としているやつに、瞬間的に湧き上がる怒りから詰め寄ろうと腰を浮かす。
しかしそれは叶わず、むしろバランスを崩してよろけ、逆にヴェルテに支えられてしまった。
よいしょ、と座り直されて自分が湯の張られた浴槽の中にいることに気付く。
湯、とは言ったが正確には水に近い。
「のぼせたのか意識失っちまったからな。気持ちいいだろ?」
片手を突っ込み水を弾くヴェルテが状況を説明してくれた。
冷たい波が肌に当たるのに頷く。
「そもそもお前があんなことしなければ気絶する事もなかったんだ」
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