46人が本棚に入れています
本棚に追加
甘すぎじゃないのか……
さっきは負担に割が合わないと言ったが、本当のとこを言えば負担以上に甘やかされてる。
あの後風呂から上がってからもかいがいしく世話をやくし、連れてかれた談話室はすでに冷房が効いていて過ごしやすくなっていた。
ソファーに凭れながらおれは一人悩む。
好きという気持ちは変わらないが、あいつの甘さにふと苦しくなる。
優しさに上手く返せない自分が少しもどかしいのだ。
あれが甘やかし上手なのか、おれが甘やかされ下手なのか。
「!?」
「ほれ、アイス。どっち食う?」
背もたれに頭を預け顔の上に腕を乗せてため息をついた瞬間額に冷たい物が当たって驚いて手をどかす。
ソファー越しに見下ろし笑うヴェルテが持っていた小袋を振っているのでその一つを取った。
最初のコメントを投稿しよう!