⚠夏の日の戯れ

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不思議な静けさが漂う中ヴェルテがどんな顔をしているのか窺いたいが、眠さが勝ってきて顔を上げるのも億劫になってきた。 「……ばいいのに」 「ぅん?」 そこへ何か言われたが、小さな声だったし、意識してなかったせいで言葉尻しか聞き取れずおれは寝ぼけた声で返事をするも無言のままもう片手で目許を覆われる。 気になるが、もう考えるのも起きるのも難しい。 もう、起きたら聞き直そう。 さらにぽんぽんと頭も叩かれたらどうでもよくなって、そう決めておれは眠りの淵に落ちていった。 しかし数時間後、起きてから尋ねたおれにヴェルテは聞き逃した言葉を絶対に教えてくれないのだった。
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