⚠待ちぼうけ

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おれの答えにヴェルテはすっと目を細めると、膝立ちの体勢をとって口付けてくる。 「んっ……ふ、ぁ……んんっ」 何度か啄むようなキスをのあとふいにぺろりと上唇を舐められ驚くが、その拍子に開いた唇の隙間に舌をねじ込まれる。 逃げようにもいつの間にか両頬を手で押さえられ、おれはその深い口付けをただ与え続けられる。 「ぁ、ん……ヴェル……テ……」 舌を絡めとられ、零れ落ちる濡れた音にたまらず手を伸ばした先のヴェルテの服を掴む。 「……アズ」 それでようやく口付けから解放され、離れていくやつの顔を目で追う。 濡れた唇を指で拭っていたやつは、おれの視線に気付いたのか臙脂色の瞳をこちらに向け笑う。 _
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