⚠待ちぼうけ

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――ヴェルテ なんだかんだと告白された時以来触れていなかったせいなのか、気付けば貪るように唇を重ねていた。 手加減できるかな、俺。 限界だというように震えた手が服を掴んだのに、離したはものの唇に残る感触に俺はそんなことを考える。 などとぼんやりしていたら、ふと視線を感じてアーズリーの方を見ると、キスの余韻で濡れた青い瞳と目が合う。 それは普段の無表情さとはかけ離れた表情で、俺はふっと笑って手を伸ばす。 「……アズ」 で、ひとまず邪魔な眼鏡を取ってやりサイドテーブルに置いて。 それからもう一度顔を寄せ、今度は頬や額に軽いキスを落とし、擽ったそうに目を瞑るこいつの唇を奪う。 キスに気を取られているこいつに俺は口付けたまま口角だけで笑い、空いた手でシャツのボタンを外していく。
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