⚠待ちぼうけ

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こっちはキスだけでいっぱいいっぱいだってのにっ。 頭の上で手を取り押さえられ、逃げようにも力でこいつに適うはずもないので、おれはされるがままの状態だ。 でもやつの指が触れた場所からじわりと熱が広がり、肌を啄まれる度躰の内側に得体の知れない痺れが走る。 「あっ……ゃ、っ……」 それに堪らず開いた口から出た声におれは恥ずかしくなる。 けど嫌ではない。多分それが一番厄介で。 止めようがない自分の声にそんなことを考えていたら、いつの間にか躰を起こしていたヴェルテはようやく押さえていた手を離してくれた。 すっかりあがってしまった息までも奪うようなキスをされたあと、するりとシャツから腕を抜かれる。 つまり上半身を裸にされて、またさっきみたいに触れてくるのかと身構えていたら、少し間があったあと伸ばされた手は右肩に触れる。
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