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……まぶしっ
ぼんやりと目を開けたおれは、カーテンの隙間から差し込む光にまた瞼を閉じる。
しかし自分のアパートならばありえないことにもう一度目を開ける。
見知らぬ部屋に眉を顰めかけ、しかしすぐ目の前に伸ばされた腕にようやく記憶が繋がる。
そうだ言葉通りやつに抱かれたんだ。
意識が覚醒するにつれ、体のだるさと一緒に己の痴態も思い出し、おれは恥ずかしさでいっぱいになる。
「ん?起きたのか」
「!?」
いたたまれないのに起き上がる気力もなく、仕方なしに身じろぎをしたらそんな言葉とともに体の前に回されていた腕に引き寄せられる。
「無理させた気がするけど……平気か?」
「そんなわけないだろ」
背後からゆっくりと抱きしめ聞いてくるやつにおれは努めて冷たく返す。
でないと要らんことまで言ってしまいそうだ。
そう思っていると、だよなと呟いたこいつにいきなり体を反転させられる。
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