触れて、確かめて

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しかし三回目にもなると、いいように触られているだけなのもつまらなくなる。 だからようやくばつの悪くなったらしい手を捕まえて、引っ張り抱き締めてやった。 そのまま煽るように腰から肩までを撫で上げたら、慌てて抵抗の素振りを見せる。 「アズだけ触るのは不公平だしな」 「っ……阿呆」 でも揶揄かいを含んだ声で囁きに、こいつは一瞬息を詰めて悪態をつく。 けれど間を置かずに肩に乗っかった重みに、俺はふっと笑って髪に口付けてやるのだった。 end
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