46人が本棚に入れています
本棚に追加
目を通せば今受けている仕事の計画がこと細やかに書かれている。
それを受け取った俺は、さらに何枚か捲りながら誉めそやす。
「……これくらい出来て当然だ。当たり前のことを何度も言うな」
すればふと表情を歪めたかと思うと、顔を逸らしてつっけんどんな答えが返ってくる。
あぁ、やっぱりな。
そのアーズリーの様子に俺の勘は合っていると悟る。
口ではきつく、高慢っぽいことを言っても、こうやって顔を逸らすのは照れ隠しだということ。
わからない頃は腹も立ったが、気づいてしまえば可笑しくて仕方がない。
「そりゃお前にしてみればな。けど俺からすれば十分すげーんだよ。頼りにしてるんだせ」
「っ、気安く触るな!」
その誉められ慣れていないらしいこいつの反応は面白く、またもっと表情が変わるのが見たくて、頭を撫でたら躍起になって振り払われた。
最初のコメントを投稿しよう!