目を逸らすのは……?

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けど、この頃はまだ揶揄かいつつも、言葉を重ねることで信頼を得ることだけが目的だった。 それがこいつのことをもっと知りたくて、そして知る度ますます惹かれて。 その気持ちが好きなんだと気付いたのは多分ホットウェルの一件のあと。 傷つけたくないと願う俺の気持ちをよそに、強くなりたいと真っ直ぐに見つめてきた視線に本気で惚れたんだ。 とはいえ言う気なんてさらさらなかったが、あいつも同じ気持ちだと知ってチャンスなのかと驚く。 なのにこっちが言うタイミングを計っていたというのに、まさか酒の勢いだけで告白されるとか案外抜けてるところがあるんじゃないかと思う。 でもそんなところさえ可愛いとか愛おしいとか感じる俺も十分やられてるかもしれない。 ――……
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