目を逸らすのは……?

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――…… 「……い、おい、ヴェルテ!」 「!あー悪り、ぼーっとしてた」 ソファーに腰掛けぼんやりしていた俺は、視界いっぱいにアーズリーの顔が迫ってきてはっとする。 談話室でパソコンをいじっているこいつを眺めていたら、以前にも似たことがあったと思い出してしまったようだ。 「人のこと見てるかと思えば、上の空だったのか」 「んーちょっと前のこと思い出してたんだよ。真剣にパソコンと向き合ってる横顔がキレーだなーなんてな」 不思議そうに見下ろすアーズリーに笑って謝れば、呆れ口調でそんなことを言われる。 あの時よりずっと表情が変わるようになったこいつに、俺はおどけたような言葉に本音をのせて返した。 「ば、馬鹿も休み休み言えっ!」 「えーホントのことだぜ?見てて飽きねーくらいな」 すればあっという間に顔を真っ赤にして、目を逸らされる。
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