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しかし昼食時もあってめぼしい店はほとんど埋まっている。
最終的にあちこち探し回った末、公園に停まっているケータリングのでということで落ち着いた。
「じゃ、俺買ってくるけど何か要望はあっか?」
「いや、特に……あーあのだな、ピクルスは抜いてくれ」
運良く木陰のベンチを見つけ、おれを座らせたヴェルテに聞かれるのにないと首を振りかけるも、やや迷ってぽつりと告げる。
「お前って好き嫌い多いよな。美味いのに」
「いいだろう、別に。おれは好きじゃないだけだ」
おれの答えにぷっと吹き出すこいつに、だから言いたくなかったのにと思ったが、食べたくないのは何が何でも食べたくないのだから仕方がない。
「買ってこないならこのまま帰るぞ」
それでいつまでもくすくす笑ってるやつをそんな言葉で追いやり、ようやくケータリングに向かう背中にほっと一息つく。
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