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恋って、なんだよそれ。
違う、そんなんじゃない。
でも……
アパートのベッドに寝転がっても気分は晴れない。
むしろ悪くなる一方だ。
「というかどっちも男だし!」
しかもそれに考えが辿り着いて、さらに頭を抱えたくなる。
結局のところ告げるわけにはいかないと、それぐらいはわかるわけで。
そもそもおれはなにをしてるんだ。
だが、ふっと冷静になって自分に呆れる。
恋だかなんだか知らないが、あいつにその気はないんだしどのみち言えるわけもない。
そう結論づけたおれは起き上がる。
「そう、言って困らせる必要はない」
さらに口にだして蹲まる。
それにちりりと胸が痛んだが、なかったことにする。
それにもともと必要なかったじゃないか。
だから大丈夫。
すぐに忘れるさ。
そしてそう自分に言い聞かせた。
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