vs Chameleon's boss-3.5

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それにロッサも無言で隣に座り込んでくる。 「心配性」 「その言葉そっくりそのまま返してやろうか」 しばらく二人で黙っていたが、ロッサが揶揄かうように言うのをおれも混ぜっ返してやった。 だがいつまでも反応がなく、見ればやはり疲れていたのか寝息をたてている。 暗く静かな廊下、おれも眠いはずなのに妙に目が冴えてしまい、ただ床を眺める。 もっと何かいい策があったんじゃないのか。 それからふと報告書、と思い出したおれは仕事のことを振り返る。 しかし話す相手がいないせいか思考は良くない方へ転がっていき、止めようと腕を掴む手に力を篭めた。 あいつばかりに負担をかけてばかりで、おれは役にたっているのか? けれど思えば思うほどどつぼに嵌り抜けれなくなっていく。 結局堂々巡りのまま朝を迎え、身じろぎをしたロッサを起こして部屋に入ろうと促した。
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