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様子見とだけ思って扉を開けると、すでにやつは目を覚ましていたらしくこちらの音に気付いて、窓に向けていた視線を移してきた。
それにほっとするおれの横で、安堵以上に苛立ちが先に来たのかロッサが不穏な気配を漂わせ出す。
ヴェルテも気づいたらしく、顔をひきつらせているが大人しくおれらを待っている。
ベッド脇まで行ってなお続く沈黙を破ったのは、我慢の限界だったらしいロッサで、それはもう凄い勢いでまくし立てる。
その一方的な怒りに途中ヴェルテが困ったようにこちらを見るが、助け舟をだせるわけがなく、またロッサの言い分が正しいのでこれ見よがしにため息をついてやった。
それにやつはおろおろと珍しく所在なさげにしていたが、グリージョの登場で説教は中断され、その後とうとう泣き出したロッサを宥めるのでいっぱいいっぱいになっている。
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