vs Chameleon's boss-3.5

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ただ座ったはものの、顔を見る気にはならなくて背を向けてしまう。 しかし口をつけようとしたカップを肩から伸びてきた手に取られ、それがサイドテーブルに置かれるのを呆然として見ていたら、さらに腰に回された腕に引き上げられる。 「な、にしている!傷に障るだろう」 「んなにやわじゃねぇっつうの。つうかいいかげん機嫌直せよ」 つまり膝の上に座らされた状態で、抱き締められたところでようやく我に返り腕を突っぱねる。 俯き喚くおれにこいつは飄々と返し解放はしてくれるも、空いた両手で頬を挟み自分の方を向かせ睨みシワのよった眉根に一つ口づけを落とされた。 「別に機嫌が悪いわけじゃない」 「嘘。お前あからさまに不機嫌じゃん」 触れるだけのキスに呟いた言葉はあっさりと切り捨てられ、まだ怒ってるのかと問われおれは目を伏せる。
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